春に起こりやすい / 頭痛 【症例】
こんにちは、癒鍼堂治療院院長の辻です。当院で鍼灸を受けられて良くなられた方をご紹介する症例ブログ、今回は春に起こりやすい頭痛です。
■来院された方:富田林市在住・30 代・女性
■主な症状:頭痛
来院までの経緯
もともと肩こりは感じていたものの、季節の変わり目である春になると、決まって頭痛が強くなるようになり、ここ数年は市販薬が手放せない状態に。特に天気が崩れる前日や、寒暖差が激しい日に症状がひどく、仕事や家事に支障をきたすこともしばしばありました。
内科では「自律神経の乱れかもしれない」と言われたものの、特別な治療法はなく、根本的な改善を求めて来院されました。
初回来院時の主な悩み
初回のカウンセリングでお聞きしたこの方のお悩みポイント
- 毎年春になると頭痛がひどくなり、特に朝方から午前中にかけてズキズキとした痛みが出る
- 肩こりと首のこわばりを常に感じており、頭痛とセットで起こることが多い
- 気圧の変化や寒暖差がある日に悪化しやすい
- 市販の鎮痛薬を月に10回以上服用しており、効果が感じられない日もある
- 仕事に集中できず、イライラ感や疲労感が強まる
初回来院時の体の状態
- 肩から首にかけての筋緊張が顕著で、とくに後頭部から側頭部にかけて圧痛が強く出ている。背部の肩甲間部にも張りがあり、胸郭の動きが浅く、呼吸も浅く速い印象がありました。
- やや顔色が青白く、全体的に疲労感が強く見受けられました。舌はやや胖大(はんだい)で淡紅、舌辺に歯痕があり、舌苔は薄白。脈はやや沈でやや緩。
- 肝気鬱結(かんきうっけつ)
- 気血両虚(きけつりょうきょ)
施術経過
■1回目~3回目(週1ペース)
初回治療後、翌朝の頭痛がやわらぎ、薬を飲まずに過ごせたとの報告がありました。
2回目、3回目と施術を継続する中で、朝方の頭重感が軽減し、肩・首のこわばりも徐々に改善。
4回目~6回目(2週に1回ペース)
頭痛の頻度が大幅に減り、月に10回以上飲んでいた鎮痛薬が、1回も必要ない週が出てくるようになりました。加えて、眠りの質が良くなったという自覚も出始め、気分の落ち込みやイライラも減少。
-
3週に1回ペースに間隔をあけてみる。
7回目以降~(3週から4週に1回ペース)
-
メンテナンス治療を継続中で、体調も安定しており、春の季節でも頭痛なく過ごせているとのことです。
-
月に1回ペースに間隔をあけてみる。
10回目以降~(月に1回ペース)
不調が取れて10回目で一旦、施術を卒業。現在は予防のために月に1回通院。
自律神経の調整や全身バランス維持の目的で継続する方も多い。
この方にいただいた感想
これまでは春が近づくと“また頭痛がくる…”と憂うつでしたが、こちらに通い始めてから体調が安定してきて驚いています。
特に天気の悪い日や寒暖差がある日も、薬を飲まずに過ごせるようになったのが本当にうれしいです。
体全体を診てもらえるので、頭痛だけでなく肩こりや疲れも軽くなり、気持ちも前向きになれました。
今では春を気持ちよく迎えられるようになり、もっと早く来ればよかったと思っています。
院長から
この方のように、春になると毎年決まって頭痛がひどくなるというケースは、東洋医学では「気の乱れ」や「肝の高ぶり」が関係していると考えます。
気圧や気温の変化に体がついていかず、自律神経のバランスを崩している方が多く見受けられます。
大切なのは、「その場しのぎ」ではなく、季節の影響を受けにくい体づくりをしていくことです。
しっかりと体を整えていけば、毎年繰り返していたつらい頭痛も、ちゃんと変えていくことができます。
今回のケースは、【1】肝気の巡りを整える【2】頭部の陽気を鎮め、緊張を緩める【3】気血を補い、自律神経の安定を図るこの順番で施術をすすめていきました。
院ではこの方のように、いろいろ試してみたがあまり効果が得られなく困って頼って来られる方が多くいます。どの方が来られてもそうですが、まずは詳しくお話をお聞きし、そこからどんな施術をしていくかを組み立てていきます。
この方のように長年の体のトラブルの結果、重症化されている場合は、良くなるまでに時間がどうしても掛かってしまいます。逆に急激に変化させようとすると、かなりの確率でその反動が体に悪影響を及ぼすこともあります。そうならないように慎重にすすめました。
少し時間が掛かりましたが、最後まで諦めずに一緒に頑張ってくれて、施術者としてとても嬉しく思っています。