暑いこの時期に起こりやすい腹痛とは?
【暑いこの時期に起こりやすい腹痛とは?】
暑い季節になると、冷たい飲み物やアイスクリーム、ビールなどを口にする機会が増えます。
一時的には体を冷やして心地よく感じますが、実は胃腸には大きな負担がかかります。冷えた飲食物は胃腸の働きを鈍らせ、消化不良や腹痛、下痢の原因になりやすいのです。
さらに、室内の強い冷房と屋外の暑さとの温度差により、自律神経が乱れ、胃腸の働きが不安定になることもあります。
また、夏は食べ物が傷みやすく、食中毒やウイルス性胃腸炎も増える季節です。急な激しい腹痛や嘔吐、発熱を伴う場合には、感染症の可能性があるため注意が必要です。
東洋医学からみた腹痛
東洋医学では、胃腸の消化吸収を担う働きを「脾胃(ひい)」と呼びます。夏は冷たいものの摂りすぎや冷房による体の冷えによって、「脾胃の陽気」が弱まりやすい季節です。次のような症状が現れやすくなります。
✅脾胃の働きが低下すると食欲が落ちる
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✅胃もたれや下痢が起こる
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✅お腹が張る、痛む
また、汗をたくさんかくことで体の水分と一緒に「気」や「津液(体を潤す成分)」が失われると、腸の働きが不安定になり、腹痛や便通の乱れにつながります。
予防とセルフケア
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①冷たい物は控えめに
常温の水や温かい食事を心がけましょう。 -
消化の良いものを食べる
おかゆやスープ、うどんなど胃腸にやさしい食事が適しています。 -
②自宅でのお灸やツボ押し
東洋医学では「足三里(あしさんり)」や「中脘(ちゅうかん)」といったツボが胃腸を整えるのに有効です。 -
③体を冷やしすぎない
冷房の風に直接当たりすぎないように気をつけましょう。
暑い時の起こる腹痛におすすめのツボ4選

1. 足三里(あしさんり)
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【場所】ひざのお皿の外側、指4本分下のくぼみ。
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【効果】胃腸の働きを高め、消化不良・食欲不振・疲れやすさに効果的。
2. 中脘(ちゅうかん)
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【場所】みぞおちとおへその真ん中。
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【効果】胃の痛みや胃もたれ、食欲不振の改善に用いられるツボ。
3. 関元(かんげん)
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【場所】おへそから指4本分下。
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【効果】体を温め、冷えによる腹痛や下痢を改善。体力を補う働きも。
4. 三陰交(さんいんこう)
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【場所】内くるぶしの上、指4本分のところの骨の後ろ側。
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【効果】脾・胃・腎を整えるツボ。女性の冷えやむくみ、胃腸の不調に効果的。
セルフケアのポイント
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お腹が冷えて痛むときは「関元」や「三陰交」を温めるようにお灸をするのがおすすめです。
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胃もたれや食欲不振には「足三里」や「中脘」を指で軽く押すと良いでしょう。