30代から60代の方に多くみられる五月病【症例】
こんにちは、癒鍼堂治療院院長の辻です。当院で鍼灸を受けられて良くなられた方をご紹介する症例ブログ、今回は五月病です。
■来院された方:河内長野市在住・30代・女性
■主な症状:やる気が出ない、胃がもたれる、朝がつらい
来院までの経緯
4月の異動で新しい園に配属され、慣れない環境や人間関係にストレスを感じていた。5月に入り、「朝、布団から出るのがつらい」「食欲がない」「ため息が増えた」と感じるようになり、自律神経の乱れかもしれないと考えてネットで検索。当院の東洋医学的アプローチに興味を持ち、癒鍼堂治療院に来院された。
初回来院時の主な悩み
初回のカウンセリングでお聞きしたこの方のお悩みポイント
- やる気が出ない。眠りが浅い
- 胃がもたれる
- 朝がつらい
- ため息が多い
- 胸がつかえる感じ
初回来院時の体の状態
- 舌質はやや赤
- 舌苔は薄白
- 脈は弦(けん)でやや細い
- 肝気鬱結(かんきうっけつ)
施術経過
■1回目
初診時は、気分の落ち込み、胸のつかえ感、ため息が多く、仕事終わりの疲労感が強い状態。問診と舌診・脈診から肝気の滞りとストレス反応が強く見られたため、「気の巡り」を整える施術を開始。
2回目~3回目(1週に1回ペース)
「ため息が減った」「少しずつ朝起きやすくなった」と本人より報告あり。まだ胃のもたれや疲労感は残るが、気分の落ち込みに変化が見られ、初期反応として良好。自宅での腹式呼吸法やストレッチの指導も実施。
4回目~6回目(2週に1回ペース)
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「最近、仕事帰りでも寄り道できるくらい元気になった」「週末に寝込まずに家事ができた」と明るい報告。気の巡りが改善してきたため、鍼灸では補気の要素も加える。舌の赤みや脈の緊張もやや緩和。
7回目以降~(月に1回ペース)
「ほぼ通常通りの生活に戻れた」「以前のようなイライラがなくなった」と実感が得られたため、施術期間を月に1回に。体調維持と再発防止のため、季節の変わり目に合わせてのメンテナンス通院を提案。
春の環境変化により「肝」の気が滞り、精神・消化系の不調が現れた典型的な五月病症状。早期に対応したことで、比較的短期間で改善が見られた。体質として肝気鬱結の傾向があるため、今後も無理のない働き方と心身のケアが必要。
この方にいただいた感想
「毎朝起きるのがつらくて、仕事にも行きたくない日が続いていました。でもこちらで体の状態や気の巡りを丁寧に説明していただき、『自分の不調は気のせいじゃなかったんだ』と安心できました。鍼灸で徐々に体が軽くなり、また笑えるようになったのが本当に嬉しかったです。
院長から
当院ではこの方のように、原因がよく分からず困って頼って来られる方が多くいます。どの方が来られてもそうですが、まずは詳しくお話をお聞きし、そこからどんな施術をしていくかを組み立てていきます。
今回のケースは、疏肝理気(そかんりき)【1】肝の気をめぐらせる【2】心身のバランスを整える【3】気血を補うようなこの順番で施術をすすめていきました。
春は気温や環境の変化が大きく、体も心も揺れやすい季節です。特に真面目で頑張り屋さんの方ほど、自分の不調を「気のせい」と見過ごしてしまいがちです。この方も「朝がつらい」「何もしたくない」という思いを抱えながら、日々お仕事を続けてこられました。
東洋医学では、こうした心身のバランスの乱れを「気の滞り(気滞)」として捉えます。気の巡りを整え、自然な形で心と体が元気を取り戻していく過程を、私たちは丁寧にサポートしています。
「何となく不調だけど、病院では異常なしと言われた」
そんなときこそ、東洋医学の出番です。どうか一人で抱え込まず、早めにご相談ください。