こむら返り
こむら返り(いわゆる足のふくらはぎのけいれん)は、西洋医学では筋肉疲労や脱水、電解質不足などで説明されますが、東洋医学ではもう少し全体的・体質的な背景を見ます。主な原因をまとめますね。
【東洋医学でみるこむら返りの原因】
① 気血不足(エネルギーや栄養の不足)
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「気」は筋肉を動かすエネルギー、「血」は筋肉を滋養する働きを持ちます。
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慢性的な疲労、栄養の偏り、血の不足(貧血傾向など)があると、筋肉がうまく養われずけいれんを起こしやすくなります。
② 陰血の不足(肝血虚)
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東洋医学では「肝は筋を主る」と言われます。
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肝の血が不足すると筋肉が潤いを失い、収縮がスムーズにいかなくなり、夜間のこむら返りが増えます。
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特に女性、更年期、出産後などに多いタイプです。
③ 腎虚(腎の衰え)
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「腎」は骨や骨髄、さらに「水」をつかさどる臓腑です。
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腎の力が弱まると筋肉や骨格の基盤が不安定になり、けいれんや足のつりが起きやすくなります。
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加齢や慢性疲労でよく見られるタイプです。
④ 寒湿の影響
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冷えや湿気によって「経絡の気血」が滞ると、筋肉が縮こまりやすくなります。
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冬場や冷房の効いた部屋で足がつるのはこのタイプ。
こむら返りは単なる筋肉のトラブルではなく✅気血不足✅肝血虚✅腎虚✅寒湿による経絡の滞りといった体質や環境の影響で起きると東洋医学では考えます。
🌙 【こむら返り予防のアドバイス】
- 1️⃣水分をしっかりとる
寝る前や運動後は特に意識して水分補給を。 - 2️⃣体を冷やさない
足元を冷やすと筋肉がつりやすいので、靴下や湯たんぽで温める。 - 3️⃣ストレッチを習慣に
就寝前や入浴後にふくらはぎを軽く伸ばすと予防になる。 - 4️⃣栄養を意識する
マグネシウム・カルシウム・鉄分を含む食品(小魚、ナッツ、海藻、緑黄色野菜など)をとる。 - 5️⃣疲れをためない
立ちっぱなしや歩きすぎで足が疲れたら、休養やマッサージでケア。
✅ 【こむら返りにおすすめのツボ4選】

① 承山(しょうざん)
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【場所】ふくらはぎの中央、アキレス腱から少し上にあり、力を入れるとくぼむ所。
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【効果】ふくらはぎのけいれんや張りを和らげる代表的なツボ。発作時にも押しやすい。
② 足三里(あしさんり)
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【場所】膝のお皿の外側下から指4本分下がったすねの外側。
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【効果】気血を補い、足の疲れや冷えを改善。胃腸も整えるので「気血不足タイプ」に最適。
③ 太谿(たいけい)
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【場所】内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。
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【効果】腎を補い、下半身の冷えや足のつりに有効。夜間のこむら返りに多く使うツボ。
④ 血海(けっかい)
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【場所】膝のお皿の内側上から指3本分上がったあたりの太ももの内側。
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【効果】血を補い巡らせる作用があり、肝血虚タイプのこむら返りに効果的。
✨【セルフケアのポイント】
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こむら返りが起きたら → 承山を押す
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予防として → 足三里・太谿・血海を温めたり、やさしく押す