「更年期」といわれたけど本当に更年期なの?
40代以降になると、体調の変化を感じる方が多くいます。
「最近イライラする」「眠れない」「肩こりや頭痛が増えた」「動悸やほてりが出る」
そんな症状があると、病院では「更年期ですね」と言われることも多いのではないでしょうか。
でも、実際には“更年期”と似た症状でも、別の原因によって起きているケースも少なくありません。
🌿 東洋医学から見た「更年期」
「更年期」という言葉よりも「陰陽のバランス」「気・血・水の巡り」が変化する時期と考えます。
年齢とともに“腎(じん)”の力が少しずつ弱まり、ホルモンバランスや自律神経の働きに影響が出てくる。
これがいわゆる更年期の根本です。
ただし、同じ年代でも「気の滞り」や「血の不足」「冷え」「ストレス過多」など、体質によって現れる症状はさまざま。
つまり、年齢だけでは更年期とは言い切れないのです。
🔍 よくある「更年期と間違われやすい状態」
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✅長期間のストレスや過労による自律神経の乱れ
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✅冷えや血流の滞りによるのぼせ、頭痛、不眠
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✅胃腸の不調からくるだるさや気力の低下
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✅首や肩の筋緊張によるめまいや動悸
これらもホルモンバランスの乱れと似た症状を起こすため、「更年期だから仕方ない」と思い込んでしまう方が多いのです。
🌸 アドバイス
「腎(じん)」をいたわる生活を
東洋医学では、更年期の不調は“腎”の力が弱ることで起こると考えます。
腎は、生命エネルギーの貯蔵庫。ホルモンバランスや骨、耳、髪、そして心の落ち着きにも深く関係しています。
【おすすめケア】
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①冷えを避けて腰・足元を温める
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②無理なダイエットや夜更かしを控える
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③黒い食材(黒豆・黒ごま・ひじきなど)を積極的に
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④深呼吸やストレッチで「腎」をサポート
「気」を巡らせてストレスを溜めない
更年期のイライラ・動悸・喉の詰まり感などは、“気”の流れが滞る「気滞(きたい)」が関係していることも。
ストレスが続くと、気の巡りが悪くなり、自律神経のバランスも乱れます。
【おすすめケア】
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①朝日を浴びて体内時計を整える
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②軽い運動(ウォーキング・ヨガ・気功など)で気を流す
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③香り(柑橘やラベンダーなど)でリラックス
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④感情を抑え込みすぎず、上手に発散を
「血(けつ)」を補い、心と体をやさしく潤す
月経や出産、忙しさによって“血”が不足すると、
不眠・不安・動悸・肌の乾燥・抜け毛などが出やすくなります。
【おすすめケア】
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①栄養バランスのとれた食事(特に鉄・たんぱく質)
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②十分な休息と、質の良い睡眠
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③鍼灸や推拿で「血」の流れを整える
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④温かい白湯やスープで内側から潤す
【おすすめのツボ】

①【太谿(たいけい)】👣 足首の内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
効能: 腎の働きを高め、冷えやほてり、のぼせを和らげる。
更年期の「体の内側からくる疲れ」や「冷え・ほてりの両方」に効果的。
セルフケア: 指でじんわり押す、または温灸がおすすめ。
②【三陰交(さんいんこう)】
👣 内くるぶしの上、指4本分の高さ・すねの骨の後ろ側
効能: 血の巡りを良くし、ホルモンバランスを整える女性の代表ツボ。
月経不順・不眠・むくみ・冷えにも◎
セルフケア: 下から上にやさしくさすり上げるようにマッサージ。
③【合谷(ごうこく)】
✋ 手の甲側、親指と人差し指の骨が交わるところ
効能: 自律神経を整え、ストレス・イライラ・頭痛・肩こりに。
「万能のツボ」とも呼ばれ、気の巡りを改善します。
セルフケア: 深呼吸しながら押すと、リラックス効果がアップ。
④【百会(ひゃくえ)】
🧠 頭のてっぺん、両耳の先を結んだ線と頭の中心が交わるところ
効能: 気の上昇を抑え、のぼせ・めまい・不眠に。
イライラや焦りを感じたときに、気持ちを落ち着けてくれるツボ。
セルフケア: 頭頂を両手の中指で軽くトントンと刺激。
